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歴史

書籍の紹介「幕末の志士 渋沢栄一」

2021年5月10日

最近大河ドラマでは渋沢栄一を題材とした「青天を衝け」が放送されています。このドラマを通して渋沢栄一をもっと知りたいと思った方も多いと思います。
そんな人のためにこちら。

【幕末の志士 渋沢栄一】

渋沢栄一とは?

渋沢 栄一(しぶさわ えいいち、旧字体:澁澤 榮一、1840年3月16日〈天保11年2月13日〉- 1931年〈昭和6年〉11月11日)は、日本の豪農出身の武士、官僚、実業家、慈善家。位階勲等爵位は正二位勲一等子爵。雅号は青淵(せいえん)。

https://ja.wikipedia.org/wiki/渋沢栄一

現在ドラマでは渋沢栄一は農民出身の血の気の多い草莽の志士として描かれていますが、「近代日本資本主義の父」としての渋沢栄一が有名です。「近代日本資本主義の父」と呼ばれる所以(ゆえん)としては、名だたる企業の設立に関わってきたからです。下記は一部の企業ですが、このような企業の設立に関わっています。

  • 第一国立銀行(現:みずほ銀行)
  • 日本鉄道(現:JR東日本)
  • .東京瓦斯会社(現:東京ガス)
  • 帝国ホテル

他にもキリンや日本郵船などおおよそ500社ほどの設立に関わっています。すごいですよね。
また、2024年に導入予定の新1万円札の肖像画に選ばれています。今までよく1万円札を「諭吉」と呼んだりしていましたが、これからは「栄一」となりますね(笑)。

本の概要

渋沢栄一誕生から明治政府が誕生するまでの渋沢栄一に関わることをまとめた歴史解説書です。ドラマでは語られていない(?※)渋沢栄一の緒方家や渋沢喜作との関係性も描かれています。

※僕が聞き逃しただけかもしれません

感想

ドラマでも描かれている通りこの本でも栄一の血の気の多さが描かれています。農民生まれながら武士に憧れ、草莽の志士として奔走しますが、訳あって目の敵にしていた幕府の要人となってしまいます。ただ、そのおかげでフランスに留学することができ、当時の世界最先端技術を目の当たりにします。これらの体験を通して栄一の考えは少しずつ変わっていきました。はじめは「幕府と共に外国人を追い出す」ことが使命に感じていましたが、その幕府に愛想をつかして「まずは幕府を倒してそれから外国人を追い出す」。そして、フランスにいき「外国人とはうまく付き合っていかないといけない」という考えにいたります。

この本を通して渋沢栄一は頑固である一方で、180度考え方を変えることもできる人だということがわかります。こういうところが成功できた秘訣なのかなと思います。また、運の良さもあります。長七郎の説得やフランス留学がなければ栄一は早々と亡くなっていたかもしれません。栄一の普段の行いがこれらを引き寄せたのだとは思いますが。

「近代日本資本主義の父」と聞いて、とても合理的で理性派な人だ勝手に想像していましたが、それとは真逆で若い頃は情熱的で感情派だったということがわかりました。この本では明治以降の話はほとんど書かれていませんが、その後の渋沢栄一の足跡もぜひ追っていきたいと思います。

おわりに

ドラマでは渋沢栄一はこれから明治にかけて激動の幕末を過ごします。この本を読んで知識をつけておけばさらにドラマが面白くなるかと思います。

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