こんにちは、ロナえるの夫です。
人生の指針について著した「イノベーションオブライフ」を紹介します。
今回は3章のうちの第2章目を紹介します。
前回までの続きはこちら。
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参考人生の指針 「イノベーションオブライフ:幸せなキャリアを歩む」
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はじめに
「イノベーションオブライフ」は3つの問いから始まります。
- どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
- どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
- どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう
今回は、
「どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?」
についての指針を説明します。
幸せな関係を築く
わたしが人生の至福を味わうのは、一家水入らずでくつろいで過ごす、数少ない時間だ
―トーマス・ジェファーソン
前章での「優先事項」、「計画と機会のバランス」、「資源配分」がキャリアだけでなく人生でも重要なエッセンスとなります。
この章では、それらを踏まえてキャリア以外の部分に注目しています。
本ブログではその中での一部を紹介したいと思います。
良い資本と悪い資本
アマル・ビデ教授は著書『新規事業の起源と進化』("OriginandEvolutionofNewBusiness")のなかで、最終的に成功した企業の九三%が、当初の戦略を断念していたと指摘する。
成功した多くの企業は、初期の戦略を維持せず断念したことが多いそうです。
それは、当初の計画が成功する見込みがないと判断したからです。
そして、その時に資金が残っていたために方向転換をすることができました。
これは、前章で取り上げられたHondaの例にも当てはまります。
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参考人生の指針 「イノベーションオブライフ:幸せなキャリアを歩む」
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Hondaはアメリカに進出する際に当初大型バイクに注力していましたが、途中で小型バイクの方が売れることがわかり、小型バイクを中心とした戦略に切り替わっていきました。
元々アメリカの事業予算が少なかったため、大型バイク事業に大きく展開できなかったことが功を奏し、小型バイク事業に切り替えることができました。予算が多かったらそうはならなかったでしょう。
これが、良い資本の例です。
一方で、事業の失敗(悪い資本)としては、次のように起こります。
- 第一段階では、当初の計画がうまくいかない可能性がとても高いため、投資家は既存事業がまだ力強く成長している間に、次の成長の波に投資しなくてはならない。しかし、主力事業がまだ堅調であるために、投資をまた「明日」やればいいとなる。
- 第二段階では、その「明日」がやって来る。既存の事業が頭打ちになり、次のエンジンが必要となる。
- 第三段階になると、資本の所有者は投資するすべての事業に、可能な限り「早く大きく」成長するよう、ハッパをかける。
起業家は、潤沢な資金にあおられて、間違った戦略を無謀かつ強引に推進する。かくして新規事業が全速力で崖に突っこむ。
これは、会社だけなく人生にも起こり得りえます。
人生の投資を後回しにするリスク
子どもが幼いうちは子育てはそれほど大切ではないから、仕事に注力しよう。大きくなって大人と同じようなことに関心が持てば、子育てに力をいれていこう。
実は、それでは遅いことが本書では記されています。
リズリーとハートの研究では、子どもたちが学校にあがってからも追跡調査をした。子どもたちに語りかけられた言葉の数は、彼らが生後三〇カ月間に聞いた言葉の数とも、成長してからの語彙と読解力の試験の成績とも、強い相関があった。
つまり、子どもが話の受け答えができない時から話かけることが重要だと述べれています。
ただ話しかけるだけではいけません。
親と幼児の間で行われる会話には、二種類あります。
会話の種類
- 仕事の会話
- 言葉のダンス
「仕事の会話」とは、
「車に乗りましょう」や「牛乳を全部飲んじゃいなさい。」
といった複雑ではなく直接的な会話のことを指しています。
一方で、「言葉のダンス」とは、
「今日は青いシャツを着る、それとも赤いシャツにしましょうか?」や「今日は雨が降るかしらね」
といった子どもの身の回りで起こっていることに対して深く考えさせる質問を指します。
重要なのは後者の「言葉のダンス」です。
実際に、親の学歴や収入に関わらず幼児期にかけられた言葉が多かった子どもは学校に入学後の成績がよかったそうです。
家庭でも資源の配分を改めて考えさせられる話でした。
「用事」を解決するために何かを「雇う」ということ
むしろわたしたちは日々生活を送るなかで、ときおり片づけなくてはいけない「用事」ができ、それを何らかの方法で「片づけ」ようとする。どこかの企業がこの用事をうまく片づける製品を開発すれば、わたしたちはその製品を買って、つまり「雇って」、用事をさせる
クリステンセンの「ジョブ理論」で提唱されている「用事」と「片づけ」、「雇う」という概念がここでも出てきます。
これらを説明するためにファーストフード店の例が示されています。
話の大まかな流れとしては次の通りです。
ファーストフード店では、ミルクシェイクの販売に頭を悩ませていました。店はミルクシェイクの味や価格のアンケートを客にとって、色々な改善を行なっていましたが、成果が一向に出る気配がありませんでした。そこにコンサルタントとして雇われたクリステンセンは、片付けたい用事は何か調査をしていきます。最終的には、客がミルクシェイクを買う理由は味や価格ではなく、朝車で出勤する間に空腹を紛らわしたからでした。そのため、粘度の高いミルクシェイク、飲み干すのにもっと時間がかかるものが必要だということが分かりました。
ここで、
「片付けたい用事」=「通勤時の空腹を紛らわしたい」
「雇われたもの」=「飲み干すのに時間がかかるミルクシェイク」
になります。
この一連の考え方で「優先事項」、「計画」、「資源」がわかるようになるんですね。
また、家族との関係でも、自分がどのような用事で雇われているのかを考える必要があると筆者は述べています。
経験の学校
能力は3つの要素で表されると筆者は述べています。
能力
- 資源:人、時間、技術、情報など
- プロセス:製品開発、資源配分、市場調査などの方法
- 優先事項
前章で挙げられていた「資源配分」、「計画と機会のバランス」、「優先事項」と近い要素です。
「資源配分」=「資源」+「プロセス」
「計画と機会のバランス」=「資源」+「プロセス」
で表せそうですね。
この中で筆者は「優先事項」が一番大事な要素としていますが、「プロセス」は資質を測る上で重要な要素であると述べています。
「プロセス」とは、資源をどう使うかの力であり、資源の有効性を2倍、3倍にもすれば1/2にもしてしまう可能性もあるのだと思います。
そして、この「プロセス」は経験によって磨かれていきます。
つまり、多くの経験をした方が自分の能力を伸ばすことができます。
本著では子どもに対する経験をさせることが大切だと書かれていますが、大人に対して同じだと思います。
全部を助けるのではなく、道標のみを示して彼・彼女にやらせてみることが重要です。
次回に続く
今回は
「どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?」
という問いに対する指針を示していきました。
次回は、
「どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう」
という問いに対しての指針を示していきます。