こんにちは、ロナえるの夫です。
本日は人生の指針について著した「イノベーションオブライフ」を紹介します。
こんな方におすすめ
- 人生の指針を見つけたい方
- 人生をよりよく歩みたい方
- イノベーションオブライフに興味がある方
はじめに
「イノベーションオブライフ」はクレイトン・クリステンセンが執筆した仕事や人生を進めるうえで必要な考え方に関して記した本です。
クリステンセンとはいえば、「イノベーションのジレンマ」や「ジョブ理論」が有名です。
「イノベーションのジレンマ」では大企業が抱える新規ビジネスの問題、「ジョブ理論」では「用事」という概念を用いて、問題解決の方法論を提起しています。
この本でも、「イノベーションのジレンマ」や「ジョブ理論」の要素が散りばめられており、クリステンセンの集大成という感じです。
仕事だけでなく人生をどう歩んでいくか考えさせられる本です。
イノベーションオブライフ
本書の役割
だがわたしは「何を考えるべきか」ではなく、「どう考えるべきか」を示した。
本書では、こうすればうまくいくという具体的なアドバイスではなく、こう考えて行動すればよりよい人生を歩めるという指針を示しています。
また、そのために色々な理論が紹介されています。
一般に、将来を予測する最良の方法は、決定を下す前にできるだけ多くの情報を収集することだと考えられている。だがこれは、バックミラーだけを見ながら車を運転するようなものだ。データを入手できるのは、過去のものごとに関してだけだ。
理論がとても役に立つ。何かを経験する前に、これから起きることを説明してくれるのだから。
理論にあてはめることでより再現性高く物事を進められるようになります。
3つの質問
- どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
- どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
- どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう
本書は、3つの質問から始まります。そして、この3つの質問に対してどう取り組むかの考え方を示してくれています。
幸せなキャリアを歩む
心から満足したいなら、自分がすばらしいと信じる仕事をするしかない。そしてすばらしい仕事をしたいなら、自分が愛する仕事をするしかない。それがまだ見つかっていないなら、探し続けることだ。妥協するな。心の問題と同じで、そういう仕事が見つかればピンと来るものだ。
―スティーブ・ジョブズ
本章では、幸せなキャリアを歩むにはどう考えていくべきなのかが記されています。
毎朝、自分のやっていることをやれる幸せをかみしめながら目覚めるのだ。
このように感じる仕事を見つけるためには戦略が必要であり、それには3つの要素が大切です。
ポイント
- 優先事項
- 計画と機会のバランス
- 資源配分
優先事項
何か意思決定をするとき、判断のよりどころとする中核的な基準となります。
そして、仕事で一番重要なことがあなたを幸せにしてくれることと一致しないことが多いです。
優先事項を決める上で動機付けを正しく理解する必要があります。
動機付けを正しく理解するために、本書では二要因理論(動機付け理論、モチベーション理論)を紹介しています。
二要因理論は2つの要素で成り立ちます。
ポイント
- 衛生要因
- 動機付け要因
衛生要因とは、仕事をするうえで少しでも欠ければ不満につながる要因のこと(衛生状態が悪ければ健康を害してしまいますが、よければ健康を増進させるわけではないことから付けられている)。ステータスや報酬、職の安定などがこれにあたります。
一方で、動機付け要因とは、自分が有意義に貢献できていると感じられるなどやろうと思うことに内在する要因のこと。やりがいのある仕事、他社による評価、責任、自己成長などもこれに含まれます。
金銭、ステータス、報酬、職の安定といった衛生要因は、ある一定水準を超えると、仕事での幸せを生み出す要因ではなく、幸せがもたらす副産物にすぎなくなることを忘れてはいけない。
お金は大事だけど、それが幸せをもたらしてくれるわけではないということですね。
計画と機会のバランス
ここでは、心から愛せる仕事を探す計画(意図的戦略)と、人生に起きる思いがけない機会や脅威(創造的戦略)とのバランスをうまく取る方法について説明しています。
Hondaのスーパーカブの例が紹介されています。
当初Hondaがアメリカで大型バイクを売ろうとしていました(意図的戦略)が、業績は良くなく厳しい状況が続いていました。
ある時、スタッフが街中を走るために使っていたスーパーカブ(小型バイク)を見て、顧客から欲しいと言われ、予定になかった販売をおこないます(創造的戦略)。
それがだんだんと規模が大きくなり、スーパーカブの大ヒットにつながりました。
このように、当初の計画に拘らず、状況を見て新しい計画に切り替えることが大切です。
また、創造的戦略が軌道に乗り始めたら、意図的戦略にする必要があり、そのバランスも大切となってきます。
本書でもありますが、成功した企業の多くが最初の意図した計画を中断して、他の計画に移行しています。
では、創造的戦略をどうやって意図的戦略にしていくかというと、本書では「発見志向計画法」が紹介されています。ここでは話が長くなるので、興味がある方は「イノベーションオブライフ」を読んでみてください。
資源
戦略の最後の要素として資源があり、お金や人、能力、時間といったものを指します。
本書では適切な資源配分が大切だと記しています。
次の章での話ではありますが、本書では「良い資本」と「悪い資本」という考え方があります。
先程のHondaの例にとって説明します。
元々アメリカ事業は低予算で始まっていました。そのため、容易に事業を変更することができ、軌道に乗ったところで予算が高まっていきました(良い資本)。
最初から潤沢な予算があったとしたら、当初の計画を押し通そうとしてアメリカの事業はうまくいかなかったですし、その後予算を集中できなかったらスーパーカブの大ヒットにもつながらなかったでしょう(悪い資本)。
つまり、創造的戦略時は資源を少なく切り替えを容易にして、それが意図的戦略に変わったら資源の割合を増やしていくことが大切です。
「良い資本」・「悪い資本」のもう少し詳細の解説については次の章で行います。
以上、3つの要因は仕事だけでなく人生にも拡張されます。
家族との時間や仕事以外での活動などです。
次回へ続く
本日はここまで。
次回は、「イノベーションオブライフ:幸せな関係を築く」について掲載します。
ここでは、2つ目の質問
どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
について、どう考えるべきなのかの指針を示してくれています。
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